アートの新しい楽しみ方が見つかった?
アートの新しい楽しみ方に開眼、とはいかなくても「これいけるかも」と思わされた企画でした。 美術にアクセス!―多感覚鑑賞のすすめ 三重県立美術館 https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/5914 ふらっと立ち寄った展覧会でしたが、新しい感覚を刺激されました。 特に面白かったのは、柳原義達の彫刻に触れるコーナーで、像が見えないままに手で触れます。触感だけに集中して撫で回していると、盛り上がった箇所に力強さを、ザラついた部分に緊張を、柔らかく膨らんだ箇所にエロティシズムを感じるなど、不思議な体験をしました。 つい「目で見たらどんな形だろう」と探りそうになりますが、それではつまらない。触れて楽しんだり感動したりする「鑑賞」があってもいい。そう感じました。 一歩進んで、視覚ではなく触覚で鑑賞するアートがあったら楽しいだろうとも思いました(多分、そういう作家もいるのだと思います。今度調べてみます。 もう一つ興味深かったのは、元永定正の絵を嗅覚や聴覚を頼りに鑑賞する部屋でした。 (写真が見当たらずこちらのブログから拝借しました。勝手にすみません https://fmmie.jp/wp/yukaNakamura/2021/06/08/ 企画展『美術にアクセス!〜多感覚鑑賞のすすめ / ) 「音を連想して鑑賞」という指示でしたが、音だけでなく匂いや触覚など、視覚以外への刺激(連想)を頼りに向かい合うと今までにない感覚が湧き上がってきました。いつもだとわたし好みの作品ではないのですが、元永さん、すっかり好きになりました。 いつも視覚や意味的連想だけで「みた」つもりのわたしには、とても良い経験でした。 企画展の前半は、障害者などがアートにアクセスするのを「助ける」という感じが強い展示でしたが、後半の二つのコーナーにはもっと大きな可能性を感じました。