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新コロナウイルスはグローバリゼーションを後退させるのか

新コロナウイルスはグローバリゼーションを後戻りさせるかもしれない。 ここ数日、人々は楽観論と悲観論の間で揺れ動いている。武漢の伝染はピークアウトしたのか?日本でもブレークアウトの兆しがあるのか? 先のことは誰もわからない。わかっているのは、新コロナウイルス以前と以後では、人々の行動、企業の経済活動がかわるということだ。そしてそれは80年代から拡大してきたグローバリゼーションにブレーキを掛け、ひょっとすると後戻りさせることになるかもしれない。 「観光爆発」はグローバリゼーションの流れのうち、大きな波の一つだ。10数年前に始まり、ここ3-4年日本にも強烈な影響が押し寄せている。世界の文化、経済、人の暮らしは観光爆発によって大きく変わりつつあった。 新コロナウイルスはその大波を暴力的にブロックし、押し返している。湖北省や中国全土からの旅行者の流れが国境でブロックされているだけでなく、汚染が及んでいない国の間も含めて海外旅行(そして国内旅行ですら)の流れが突然止まってしまった。 今後流行が沈静化しても、大規模な観光客の移動がもとの水準に戻るのかはわからない。例えば観光爆発の象徴であったクルーズ船観光は、今後しばらくは立ち直れないだろう。パラダイスの筈のクルーズ船が港に接岸したままの牢獄と仮し、あるいは入国拒否されて外洋を彷徨う有様をみては、人気を失うのは仕方のないところだ。 企業は「世界の工場」中国での生産活動停止を見て、今後のグローバル戦略を考え直しているだろう。生産拠点や部品の供給をできるだけ分散するのか、自国に閉じこもるのか。おそらくは後者を選択する企業が多いと思われる。 トランプ大統領誕生以降、グローバリゼーションはすでに一国主義へと後退しつつある。ポピュリスト指導者が乱立し、「自国ファースト」を連呼し、保護貿易と外国人追い出しを叫んでいる。 こうした環境の下、アウトブレイクへの恐怖は、「観光客嫌い」を煽り立て反グローバリゼーションの流れを加速することになりそうだ。