「沖縄の米軍基地は経済発展を阻害している」 琉球独立と経済シンポジウム

3月14日に琉球民族独立総合研究学会の公開シンポジウム『ヤンバルで考える琉球独立「琉球独立と経済」』を傍聴することができました。参加者の多くは「琉球」出身の人たちのようだったが、わたしのようなナイチャー(ヤマトンチュー?学会での正式呼称はききそびれました)にもとても興味ふかい情報に満ちたものだったので、わたしの印象をシェアさせてもらいます。

 なお、ヤンバルとは、漢字では山原と表記され、沖縄県沖縄本島北部の、山や森林など自然が多く残っている地域のことで、沖縄本島の名護市以北をさすこともあります。シンポジウムが開かれた名桜大学は、北部の中心都市である名護から遠くない山頂にあります。

 今回はシンポジウムの中の「基地は経済発展の阻害要因」という主張を紹介します。これは翁長知事の知事選の際の主張の一つですが、本土ではあまり知られておらず、独立は経済的に不可能と断じる人が多いようです。当日の発表の概要は次のようです:

(なお、発表の根拠となったデータは、主として沖縄県の調査に基づくものです。その概要はこちらでみることができます。

 基地がなくなれば沖縄経済は崩壊すると信じている人は少なくないが、実は基地経済への依存度は4.9%にすぎない。反対に基地がなければ沖縄経済はもっと発展することができる。

それを知るために、まず、すでに返還されている基地の直接経済効果(消費・投資等により個人・事業者等への支出が発生する効果)を見てみよう。那覇周辺を中心に、すでに返還済みの基地がある。これら元基地の直接経済効果は、返還前に比べ14倍から108倍に増加している。

 同様の試算を、返還が予定されている基地に当てはめてみると、直接経済効果は836倍に増加すると推定される。雇用への影響に限ってみると、誘発雇用数(誘発される生産を行うために必要となる理論上の雇用者数)は8万人強で、返還前の18倍とみられる。ちなみに沖縄の完全失業者数(20151月)は35000人ですから、その規模の大きさがわかる。


 なお、返還が予定されている基地の面積は、沖縄の基地全体のごく一部にすぎない。それ以外の基地では、例えば嘉手納基地(飛行場)は、成田や関空とほぼ同規模の滑走路をもち、国内最大の民間飛行場である羽田空港の2倍の面積がある。返還されればアジアのハブとなりうる巨大空港が出現することになる。

 以上です。同日のシンポでは他にも重要な主張が聞かれましたが、それはまた別の機会に紹介したいと思います。

 沖縄には観光や貿易を中心に自立的な経済が発展しつつあるのですね。先日の知事選では産業界や自民党支持層の一部も辺野古基地反対の翁長候補支援に回りましたが、これも
脱基地・自立経済の流れが政治に反映したものといえるでしょう。

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