カカオ価格の上昇はコートジボワールに平和と繁栄をもたらすか

コートジボワールのカカオ生産が好調だ。政府によれば農民の所得は昨年比で24%上昇しているという。これは大変なことだ。年収300万円のサラリーマンが70万円以上増収になったのとおなじことだ。

http://www.news.abidjan.net/h/507839.html?n=507839

主な原因はカカオ豆の国債価格が上昇していることのようだ。実際に価格の長期推移のグラフを探してみたところ、次の図が見つかった。


出典 http://ecodb.net/pcp/imf_usd_pcoco.html

このグラフをみると、80年台を通して低下と底値での停滞が続き、2000年から再上昇していることがわかる。政治面では1999年にクーデタが勃発、長い内戦を含む混乱が始まる。

コートジボワールは、世界最大のカカオ生産国であり、経済はカカオ生産に大きく依存している。経済がそのまま政治に反映するわけではないが、影響があることは否定出来ないだろう。そこでこれに政治的な動向を重ねてみる。

政治危機の端緒であるクーデタは底値の時期と一致している。

次いで国際価格が再上昇する10年間、内戦が続き、一度ピークアウトした直後の2011年に内戦が終了している。

まず、価格の下降期・停滞期は、高価格を背景に形成された政治体制が、価格低下に伴いゆっくりと矛盾を蓄積していき、その最終的崩壊がクーデタだった、という仮説がたてられそうだ。

次に、内戦の継続に価格上昇は影響したのか、それとも戦時には国際相場に農民は対応できなかったのか、そのあたりは今後の研究に待つしかない。

さらに、12年以降の価格再上昇が現政権の安定にプラスであることは間違いないだろう。

最後に今後価格が再び下落に向かうのか、さらなる上昇期に入るのか、これは誰にもわからない(個人的には前者の可能性が高いと思うが)。いずれにしろ、現ワタラ政権の安定、西アフリカの経済拠点としてのコートジボワールの復活に、カカオ価格が大きな影響を及ぼすことは間違いないだろう。

付け加えておくと、カカオ価格が直接政治や社会に影響するわけではない。誰がカカオを栽培するのか、どこにどのように作るのかなどの「媒介変数」を考慮する必要がある。

具体的には、原生林を切り開いてのカカオ栽培地の拡大、周辺国からの労働移動が、政治家のヘイトキャンペーンと内戦の背景にあったことはよく知られている。

今後のコートジボワールでの人々の暮らしも、これらの媒介変数の影響を受けながら、揺れ動いていくだろう。人々の努力で、コートジボワールが平和と安定、そして平等な繁栄に向かっていってほしいものだ。


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