原発事故の社会経済的原因とその解決に向けて

事故発生から3週間、原発は未だに危機から脱することができず、収拾のめどもたたない。その解決には、今の陣容でなんとかやり抜いてもらうしかない。

しかし並行して、なぜこうした事態を招いたのか、同じことを繰り返さないためにどうするかは考え始めなければならないと思う。

悪役を探すのは好きではない。自分を免責して居酒屋で溜飲を下げるのにはいいだろうが、生産的な話にならない。

代わりのアプローチとして、みながこれまでの行動をとったのは、どのような制約のもとにいたためなのかを考えてみたい。みんなそれぞれに合理的行動をとったが、枠組みが間違っていたために、結果として大きな誤りをおかしたと考えてみたい。

そしてそのような枠組みはなんだったのかがわかれば、みなが望ましい行動をとるような枠組みに改革することが良いということになるだろう。
  
とりあえずいくつか論点を挙げてみた。問題設定についての問題、他の論点、論点の間違いなどがあったら指摘してほしい。また今後これらについて考えるときに、必要な情報を書きこんでほしい。ただし「これを読め」というのはやめてほしい。むしろ「それを読んだ」上で「こう考えるべきだ」という書き込みを期待したい。

本来はウィキペディア形式が向いているのだろうが、面倒なのでブログにアップした。書きこんでくれれば、速やかに内容に修正・加筆として取り入れるので、どうかよろしく。

-背景-
政府は原発を日本のエネルギー政策の柱としてきた。電力会社は、原発を代替のきかない電力源として推進してきた。そのため原発は安全の神話が作られ、情報は開示されず、批判派は抑圧されている、

メディアや研究者が東電の広報部装置と化して、しかも一般の人が活用できるような代替的な独立の情報源は育っていない。政府ですら東電に情報を依存している。一般市民の多数派は、事故以前は電力会社の主張を受け入れてきた。

この結果、原発が故障することは想定外とされ、実際に福島原発が津波に襲われた時、なんの準備もなく、以後の事態にどう対処すべきか、政府も電力会社も、専門家も、そして市民も誰も知らなかった。

-アプローチ-
こうした事態を招いたのは、各アクターが、どのようなインセンティブ環境の下に置かれていたためだろうか。そして国家と社会が、代替エネルギーを志向する、すくなくとも原発中立的な姿勢に転換するためには、どのような(抗議の意味での)制度改革が必要なのか、考えてみたい。

-アクターとインセンティブ環境ー
1.     インセンティブ構造=制度の最上位に位置するのは政府だ。では無批判的な原発推進が歴代政府の政策として採用・維持されてきたのか?政府を構成する官僚、政治家、影響を与えうる野党政治家はいかなるインセンティブ構造のもとで行動したのか?
原発会社のロビイング?買収?

2.     電力会社はなぜ原発推進にこれほどまで執着し、障害となる動きを押し潰してきたのか?反社会的な行為も行って来たらしいことが明らかになりつつあるが、そこまでさせた利害環境とはなんなのか?
原発への補助金?料金構造?法律?地域独占?

3.     メディアはなぜ無批判に原発を擁護し、電力会社よりの専門家のみを起用し、報道の使命を忘却できたのか。
電気事業連合会の宣伝費?報道チェック能力の喪失?

4.     研究者・専門家の主流はなぜ原発推進・擁護の旗振りとなったのか、批判派はなぜ学会で対抗勢力となれなかったのか。
研究費?学界の親分子分関係?情報の独占?権力の魔力(政府委員会等のポスト)?

5.     市民社会は、危機にあって、東電の情報や安全一点張りの専門家に代わりうる独立の情報センター、専門家集団を育てることができなかった。それはなぜか?
批判派の能力(資金獲得・広報)不足? 

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