逃げるための三つの能力

危機はまだ終っていない。自力で立ち向かうことのできない危機の場合、最善の方法は逃げることだ。だが、逃げるのは実はとても難しい。多くの人がそれを実感しているだろう。

今後の人生を、少しでも逃げやすいように修正するために、若い人には、逃げられる能力をつけるために、これを書く。

モデルはアフリカで知り合ったパキスタンの友人だ。

1. 逃げるのに一番大事なのは、ネットワーク。地理的には、できるだけ広く、できるだけ多くの国に、階層的には、できるだけ多様な職業、趣味、階層の人の間に、知り合いを作ることだ。友人、知り合う人、みんなのアドレスを持つこと、連絡を保つこと、なによりも大事な人だと思ってもらうことだ。snsがあるので、ネットワークを広げることは格段と容易になっている。

ネットワークがあれば、情報が得られる、なにか頼めるかもしれない、場合によっては居候もできるかもしれない。

パキスタンの友人は、日本に留学していた。兄弟はみな違う国に留学し、それぞれの国でネットワークを作っていた。もちろん家族同士は強固なネットワークの中核だ。

2. どこにいってもやっていける汎用性ある能力を身につけること。もちろん特殊技術があれば一番いいが、そうでなくても心配は要らない。実は日本の殆どの人の能力は汎用性がある。日本の会社で事務をしていれば、世界どこでも事務はできる。問題は多くの人が「自分は会社をでたらなにもできない」と思っていることだ。自分の仕事の中に、汎用性のある技術を見つけ、それを磨いていくことが大事だ。

パキスタンの友人が頼っていたのも、特殊な技術ではなく、「どこでも生きて行く能力はある」という自信だった。これがあれば十分というわけでなないが、なければなにもできない。

3.自分(と家族)の利益を絶対に優先すること。付き合いや職場の雰囲気、国情などに飲まれない。職場や、地域、国は滅びても生き延びる覚悟が必要だ。

パキスタン人の友人は、住む国になんの愛情も示さなかったが、これはまずかった。「この国からは奪うだけ」という姿勢から、アフリカ人から嫌われ、略奪の対象とされ、結局は自分の利益も傷つけていた。これは反面教師。

4. この三つがあればよい。他に、あればいい、あればとっても役立つことはたくさんあるが、なくても何とかはなるとおもう。また、すべてあとからなんとかなるものなので、いまのところ気にする必要はない。

順不同であげると:
国籍(ないし市民権)をたくさん持っていること。パキスタンの友人は三つくらい持っていたようだ。小さい国では、2-3百万円の口座をひらくと市民権をくれる国が、いまでもあるらしい。国はいつも守ってくれるとは限らない。しかしその国から逃げるとき、なんらかの証明書がないと、今の世界では人間扱いされない。

外国語をなるべくたくさん話せること。使用頻度から言うと、英語のほかは、フランス語、スペイン語、中国語、アラブ語などがよいかも。

学位(修士・博士号)をなるべくたくさん持っていること。弁護士や公認会計士は外国に出ると役に立たないが、学位は国際的に標準化されている。その場合有名校である必要はない。外国に出れば、知られている大学はひとつもないので、いい加減な大学の学位で良い。

資産は不動産より動産がよい。為替リスクを考えて分散投資しておいたほうが良い。不動産は動きを鈍らせる。

パートナーは自分と同等以上の移動性がある人を選ぶこと。結構これが一番大きいかもしれない。肝心のところで「愛と自分」とどっちが大事か、みたいな選択を迫られてはダメ。

くりかえすが、これらはあとからどうにでもなる。
重要なのは、ネットワーク、汎用性のある技術を蓄える、自分と家族の利益を絶対優先するという覚悟の三つさえあれば、目を曇らせずに逃げ出すことができる。

コメント

このブログの人気の投稿

イノベーション続くcash transfer(現金移転)

現金移転cash transferは貧困をなくせるか:ザンビアでの調査1

カカオ価格の上昇はコートジボワールに平和と繁栄をもたらすか