後期高齢者はイグアナの夢をみるか? 健康維持コストの法則
歳をとるに従って、生きるために費やすお金や時間が増える。当たり前のことだが、これを難しく言い直すとこうなる。 「加齢に伴い、健康維持のためのコストが増加する」 コストとは、具体的には金と時間だ。 若い時には健康維持を意識することは少なかった。家族のことを考えて健康保険、生命保険には加入したものの払い戻しを受けたことはほとんどなかった。 公的保険についても払い続けたもののの、恩恵を受けるのは花粉症と虫歯の治療くらいだった。 健康のために運動しろと言われても、真面目に取り組んだことはなかった。 公的保険の恩恵を感じ出したのは 60 代になってからだ。不整脈の治療で初めて入院給付を受け取った時は、支払い分を少し回収できた気分だった。 70 代に入ると白内障、前立腺肥大、血圧上昇など加齢に伴う定番の症状が始まった(幸いまだ深刻ではないが)。 就眠中の背中のかゆみ、軽い誤嚥で咳き込む、口臭、いびきなど加齢に伴う「生活の質」の低下も本格化してきた。 ちょとした怪我でも回復に時間がかかり、病院通いの時間が増えてきた。医者に原因を訊ねると「加齢ですね」と言われる。 対策を訊ねるとどの医者も口を揃えて「運動です。散歩してください」という。そのため、ここ数年は散歩が日課となっている。これもかなり時間を消費する。帰ると疲れて昼寝する時間も増える。 私は痩せタイプなのだが、医者は「内臓肥満です。筋肉をつけるように」という。いずれ筋トレも始めないと。ジム通いには金も時間もかかりそうだ。 気がつくと医療支出 ( 保険からの支払いを含む。プラス売薬、サプリ ) も、健康のために費やす時間も右肩上がりだ。 こうしてみると、生活の質そして生命維持のコストの推移は簡単なグラフに描けるようだ。一般的には 60 代までは ( 人によっては 40 代半ばまでは ) ゼロに近く横ばい、そこから急な上昇が始まる。支出は収入のそして財産の上限目指して上昇を続け、時間支出も活動時間の上限を目指して増加してゆく。 2年前から定期的に血管年齢を測ってもらうようになった。毎回医者がグラフを指して「正常値です」と言う。良くなっているのか問うと「年齢平均に収まっています」との答えだ。つまり私の血管は人並みに劣化している。 血管年齢曲線同様に、今のところ私の健康コスト曲線も順調に上昇している。